白柳葵さん(11期生 2014年3月卒業)
愛知医科大学を選んだきっかけ,入学の決め手
高校生の頃,私は将来の進路に迷っていましたが,「人の役に立ちたい」「手に職をつけたい」という思いから,看護師を目指すことを決意しました。
愛知医科大学を選んだ理由の一つは,附属病院があることです。学びの場として恵まれた環境にあることはもちろん,将来の就職活動の面でも大きな魅力を感じました。さらに,私は愛知医科大学病院で生まれており,愛知医科大学に特別なご縁を感じていたことも,入学の決め手となりました。
入学して感じたこと,学生生活で印象に残っていること
入学してからはとにかく学ぶことが多くて大変でしたが,周囲の友人と励まし合いながら乗り越える中で絆が深まり,看護学生時代に出会った友人たちは私にとって一生の宝物だと感じています。
また,学びを支えてくれる環境が整っていたことも,この大学の大きな魅力でした。例えば,愛知医科大学の図書館は試験勉強や実習に必要な資料を探す際にとても便利で,実習後には友人たちと図書館に行き,自習スペースで実習記録を書いたり,翌日の実習に必要な資料を探したりして過ごしていました。
看護の講義で特に印象に残っているのは,慢性看護学の先生方が語られた患者さんとのエピソードです。慢性の病いとともに生きる人たち一人ひとりと向き合い,その人の「強み」や「ありたい姿」を大切にしながら関わることの難しさや大切さを学びました。先生方のお話を通して,私もそのような看護ができるようになりたいと思い,慢性看護学の分野に関心を抱くようになりました。
このことが,看護師になってから大学院(愛知医科大学看護学研究科 慢性看護学領域)に進学することに繋がりました。大学生時代にお世話になった恩師に,大学院でも引き続きご指導いただけたことは,私にとって大きな励みとなりました。


現在の活動,今後の目標
私は現在,愛知医科大学病院の11A病棟(耳鼻咽喉科・麻酔科・放射線科)の看護師として勤務しています。11A病棟には頭頚部がんの患者さんが多く入院されており,がんの治療に伴う摂食嚥下や発声などの機能障害は患者のQOLに大きな影響を与えるため,他職種と連携しながら患者さんの状態に応じた支援を行っています。
私は11A病棟で頭頚部がんの患者さんと約10年関わってきましたが,日々の看護を振り返り,より専門性を高めて追及していきたいと思い,2023年に大学院に進学しました。看護師として働きながら看護研究を行ったことは自身の知識や看護実践を客観的に見つめ直す貴重な機会となり,看護師として未熟であった点にも気付くことができました。
今後は,看護師として働く中で,大学院で学んだ専門知識と研究能力を活かして実践と研究を繋げながら,がん患者の看護における課題に取り組んでいきたいと考えています。
看護学部での学びや経験が,現在の活動にどのように影響しているか
学生時代に講義や実習で学んだことは,看護師として働く上での確かな土台となっています。当時は目の前の課題をこなすことに必死でしたが,臨床で患者さんと向き合う中で,「あの学びはこういうことだったのか」と知識と実践が繋がる経験を重ねてきました。こうした日々の看護を分析し言語化していくことが,看護研究へと繋がっています。
大学院で看護研究を進める中で,自分の考えを言語化することの難しさを痛感しましたが,多様な視点から看護を考える力を養うことができました。現在は研究を通して学んだ視点を活かしながら患者指導や後輩指導に取り組んでいます。


愛知医科大学を目指す受験生へ一言
卒業後は,愛知医科大学病院への就職や大学院への通学もしやすく,とても環境に恵まれていると思います。私は大学・大学院と愛知医科大学のお世話になっていますが,本当に素晴らしい先生方がたくさんいらっしゃるので,安心して入学してください。
看護の勉強は決して楽ではありませんが,大学で得られる学びは自身のかけがえのない財産になると思います。そして,より看護を深めていきたい,キャリアアップを目指したいと思ったら,ぜひ大学院への進学を検討してみてください。愛知医科大学病院に就職した時には,まさか自分が愛知医科大学の大学院に通うことになるとは思ってもみませんでしたが,今は本当に進学して良かったと感じています。
看護師・保健師の働く場は病院だけでなく,企業や施設など多岐にわたります。進路を決断するのはとても大変なことだと思いますが,国家資格を得ることは自分の道を広げる大きな一歩になるはずです。愛知医科大学で学びを重ねる中で,少しでも興味のある分野が見つかれば嬉しく思います。どうかまずは,未来の可能性に向けての一歩を踏み出してみてください。