
横地哲史さん(10期生 2013年3月卒業)
愛知医科大学を選んだきっかけ,入学の決め手
中学・高校時代は寮生活を送りながら,漠然と将来は人の役に立つ仕事に就きたいと考えていました。進路について教員や両親に相談する中で看護職に興味を持ち,医療職である両親の勧めもあって,両親が勤務していた病院を見学する機会がありました。そこで看護師が患者さんのためにいきいきと働く姿を目の当たりにし,自分も看護師を目指したいと思うようになりました。
大学選びではさまざまな選択肢を検討しましたが,地元で学びながら高度な医療を学べる環境に魅力を感じ,本学への進学を決めました。特に,大学病院であり,災害拠点病院でもある愛知医科大学病院があること,そして当時から関心のあった救命救急医療を学べる高度救命救急センターがあることは,大きな決め手となりました。
入学して感じたこと,学生生活で印象に残っていること
入学してまず感じたのは,同期との距離の近さでした。私の学年は男子学生も比較的多く,男女問わず仲が良かったことが印象に残っています。
学生生活で特に印象深いのは,部活動と看護の学びに本格的に向き合ったことです。私はサッカー部に所属していました。小学生の頃から続けてきたサッカーを大学でも続けるとは思っていませんでしたが,仲間と過ごした時間はかけがえのない思い出です。また,看護学部の後輩が入部してくれたときの嬉しさは今でもよく覚えています。
一方で,入学当初から強い目的意識を持っていたわけではありません。実習で患者さんと関わり,教員から指導を受ける中で,自分にはまだ学ぶべきことがたくさんあると実感しました。どの実習にも多くの学びがありましたが,特に総合実習での経験は今でも強く印象に残っています。当初から救命医療には関心がありましたが,同時に在宅看護にも高い関心がありました。救急の現場に運ばれてくる患者さんにも,それまでの生活や家族との暮らしがあり,在宅で医療と関わりながら生活する人々の姿を学びたいと考え,在宅看護学領域を選択しました。
実習では,在宅で生活する利用者さんとそのご家族を支える看護師の力強い実践を目の当たりにし,大きな感銘を受けました。利用者さん一人ひとりの価値観や生活に寄り添いながら支援する看護の重要性を学び,この経験を通して自身が目指す看護師像をより具体的に描くことができました。
不安や心配を抱える患者さんやご家族に安心を届けられる医療者でありたいという思いは,この実習を通してさらに強くなりました。その思いは現在の臨床実践や教育活動にもつながっており,今も私の看護の根幹となっています。
さらに,自分が働きたいと思える病院に出会えたことで目標が明確になり,そこから看護を学ぶ面白さや奥深さに引き込まれていきました。
現在の活動,今後の目標
現在は聖路加国際病院に勤務しています。約10年間,救命救急センターで臨床経験を積んだ後,Clinical Nurse Educator(CNE)を目指して聖路加国際大学大学院修士課程を修了しました。現在はCNEとして,臨床実践を基盤にしながら院内教育や大学での基礎教育に携わっています。
新人研修や各種教育プログラムの講師・ファシリテーターを務めるほか,大学では学生指導にも関わっています。また,より良い看護実践の普及を目指し,雑誌や書籍の執筆活動にも取り組んでいます。
今後はリソースナースや教育者としてさらに専門性を高めるとともに,看護行政や研究分野にも視野を広げながら,自分なりの形で看護の発展に貢献していきたいと考えています。
看護学部での学びや経験が,現在の活動にどのように影響しているか
看護学部時代の学びの中で最も印象に残っているのは,実習での教員とのやり取りです。
私は決して優秀な学生ではありませんでした。ある実習で看護問題と看護計画を提出した際,「患者さんに名前を覚えてもらう」という内容を書いたことがあります。授業で学んだ形式から外れた内容だったため指摘されると思っていましたが,教員は「着眼点があなたらしくていいですね。ただし記録は授業で学んだ方法に沿って修正しましょう。と声をかけてくださいました。
その言葉は今でも忘れられません。自分らしさを認めてもらえたこと,そして専門職として求められる基礎を丁寧に教えていただいたことで,私は改めて学ぶ姿勢の大切さに気づきました。
また,実習で出会った患者さんとの関わりも大きな転機となりました。患者さんからいただいた信頼や感謝の言葉に応えられる看護師になりたいと思い,それまで以上に勉強に励むようになりました。
この経験は,学び続ける看護師としての姿勢と,学生一人ひとりの可能性を信じて成長を支援する教育者としての姿勢の両方の原点になっています。
愛知医科大学を目指す受験生へ一言
本学には,自分の価値観や可能性を広げてくれる先生方や先輩方がたくさんいます。学びの中では,大変なことがあったり,壁にぶつかったりすることもあるかもしれません。しかし,そのようなときにも,一人で抱え込むのではなく,成長を支えてくれる仲間や先生方がいます。
私自身,入学当初から明確な目標を持っていたわけではありませんが,患者さんや先生方との出会いを通して看護の魅力を知り,自分の目指す道を見つけることができました。
皆さんもぜひ,自分らしく挑戦しながら学びを深めてください。いつか同じ看護職として一緒に働ける日を楽しみにしています。